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本寺専修寺 楼門修理説明会に行ってきました【組立て編】

令和6年2月17日、昨年6月の解体後の説明会に続き、今回は耐震補強後の説明会に参加してきました。

栃木県真岡市にある本寺専修寺(ほんじ せんじゅじ)は境内地全体が国史跡となっており、楼門は国の重要文化財に指定されています。

前回の説明会はこちら↓

今回は足場に上って間近で説明を受けるため、足場の耐荷重と安全性を考え、人数制限を設けて完全予約制。
下野新聞の記事で応募者が殺到し、15名枠の4回の説明会は全て満員になったそうです。

今回の修理のポイントの1つは耐震化。
300年以上保たれた楼門も現代の耐震基準で考えると倒壊の恐れがあるため、参拝者の方々の安全面を考えると耐震化の必要があるそうです。また、年初の震災で多くの文化財が被災されたことから、文化財を守るためにも必要な工事であります。

もう1つは屋根を瓦から茅葺きにすること。
建てられた当時は茅葺屋根だったことが江戸時代の絵図からわかっており、境内入口の総門と同様に茅葺にするそうです。
現在では材料も施工する職人も少なくなっている状況ですので、このような茅葺き屋根の文化財を多く残し、定期的(20年に一度くらい)に補修を行うことで茅葺きの伝統も守られることになると思われます。

今回も写真を多く撮ってきたので載せていきます。
まずは地上部分の柱の様子から。

既存の6本の柱に新たに4本の鉄骨の柱が追加されました。
6〜7mの杭を硬い地盤まで打ち込み、基礎を作ってあります。

既存の梁に合わせて鉄骨梁も施工。
金物も格子の間から繋げられる様に合わせてあります。

下の画像は2階部分に上がって撮影。
下の梁と上の梁がうまく結合されていました。

よく見ると各木材に小さな札が貼り付けてあります。
これは組み立て時にちゃんと元に戻せる様に解体時に品番のようなものを割り付けてありました。

また、風化してしまった木材は新しい木材に入れ替え。
イメージ的に釘は使わないものだと思ったのですが、見えない部分には使われているのですね。
こちらは上に手摺りが組み立てられるので見えなくなるそうです。
釘を使う理由としては欅(けやき)の板が暴れるために押さえておくのだとか。
当山の会館の欅の梁も暴れて障子が閉まらなくなることがありましたので障子の方を加工してもらいました。

四方の蛙股の装飾も間近で観られたのは貴重でした。

こちらは3階の屋根の部分です。
幾重にも重なった木材が頑丈さと建築の美しさを感じます。

先ほどの品番の札をアップで撮ってみました。
素人にはわからない暗号のようなものでも職人さんには伝わるのでしょうね。

こちらは元々書かれていたもの。
達筆過ぎて私には読めませんが一番上の文字は「東」でしょうか?

このように柱のほぞ部分を新しく作り変えて元々の部材を生かしておくのも難しい技術を要するのでしょうね。

こちらが今回の解体で発見された墨書きの一つで、こちらで正確な建築年代が分ります。
下の画像が拡大したもので、けんろく(元禄)4年とありますが、元禄4年とは西暦1691年で第5代将軍の徳川綱吉の時代になります。他には棟梁の名前(小松崎さん?)などが書かれています。本寺のある真岡市の隣りの茨城県下館市(現在の筑西市)の方でしょうか?

こちらは外の作業小屋の中にあるまだ設置前の屋根の部分でしょうか?
今回は茅葺に変えるため屋根が高くなると説明されていたので追加の木材が上に足されているように見えます。左側に立てかけられている新しい木材には「令和5年」の焼印が押されていました。これを次に発見するのはいつの時代でしょうね。

最後に楼門屋根の高さから見た御影堂。
二度と観ることのない眺めなので記念に1枚撮っておきました。

今後の予定としては夏頃から屋根の茅葺き作業が始まり、12月末頃に竣工予定だそうです。

さいごに
今回も貴重な説明会をご用意してくださった真岡市役所文化課の安永様、文建協の職員様、本寺専修寺輪番様及び役員様に感謝申し上げます。

こちらは本山専修寺にて製作された本寺専修寺の紹介動画になります。
序盤に修理前に撮影された楼門が出てきますので、ご覧ください。(YouTube動画です)

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