檀信徒様へ

こちらは真像寺の檀信徒様向けのページです。

檀信徒(だんしんと)より、檀家(だんか)さんという名称の方が一般的で分かりやすいかと思いますが、簡単に言えばお寺と関わりのある家または人を表します。ちなみに、浄土真宗では門徒(もんと)さんと呼ばれる方が一般的かも知れません。
もう、既に理解しにくいかと思いますが、この部分だけでも各宗派によって解釈も異なり、十分な説明をすることも難しくなってしまいます。

このような「お寺のあれこれ」について、当山(これも分かりにくいですね)真像寺とのお付き合いのある皆様に説明するためにこのページを制作しました。
真像寺は【真宗高田派】(しんしゅうたかだは)の寺院になりますので、基本的には高田派の発行する資料やホームページ等からの引用を優先します。
また、このページはお子様や若い世代の方々にも見て理解して頂きたいと思っておりますので、分かりやすい言葉を選んで書いていきたいと思います。
投稿は徐々に増やしていきますので、時々見に来ていただければ有り難いです。

ウチのお寺は何宗?

お子様や若い世代の方から良く聞かれる質問です。
正式には真宗高田派(しんしゅうたかだは)と言われる真宗のお寺の一つなのですが、皆さんの認識では【浄土真宗】の方が一般的でしょう。ただ、【浄土真宗】と正式に呼べるのは「本願寺派」だけです。では、一般的に浄土真宗と呼ばれる派はどれだけあるのでしょうか?

真宗十派(しんしゅうじっぱ)

親鸞聖人の教えを伝える教団は、血縁関係や師弟関係からなる系譜によって受け継がれ、今では主に10の派に分かれました。【 】は本山及び所在地

  1. 浄土真宗本願寺派(ほんがんじは)
    【西本願寺】にしほんがんじ:京都
  2. 真宗大谷派(おおたには)
    【東本願寺】ひがしほんがんじ:京都
  3. 真宗高田派(たかだは)
    【専修寺】せんじゅじ:三重
  4. 真宗佛光寺派(ぶっこうじは)
    【佛光寺】ぶっこうじ:京都
  5. 真宗興正派(こうしょうは)
    【興正寺】こうしょうじ:京都
  6. 真宗木辺派(きべは)
    【錦織寺】きんしょうじ:滋賀
  7. 真宗出雲路派(いずもじは)
    【毫摂寺】ごうしょうじ:福井
  8. 真宗誠照寺派(じょうしょうじは)
    【誠照寺】じょうしょうじ:福井
  9. 真宗三門徒派(さんもんとは)
    【専照寺】せんしょうじ:福井
  10. 真宗山元派(やまもとは)
    【證誠寺】しょうじょうじ:福井

上記をみて頂ければ分かると思いますが、この中で【浄土真宗】と正式に呼べるのは本願寺派だけになります。

浄土真宗のはじまり

では、浄土真宗はどのようにして始まったのかご説明します。

浄土真宗の開祖といえば親鸞聖人です。聖人は京都で生まれ、9歳の時に出家し、比叡山延暦寺にて20年にわたって厳しい修行を積みました。しかし、未だに煩悩から逃れる事が出来ず、今のままの修行では悟りをひらく事が出来ないと29歳の時に比叡山を下山し、京都にある聖徳太子ゆかりの丁法寺六角堂にて100日間籠ってこれからの道を尋ねることにしました。そこで95日目の朝、ご本尊の観音菩薩が夢の中に現れ、煩悩を持ったままでも救ってくださる教えを頂き、当時その教えを説いていた浄土宗を開いた法然上人の元へ訪ねます。そこで法然上人の門弟となり、充実した日々を送っていたのですが、念仏を称えることで救われる教えは急速に広がったこともあり、快く思われない人々から弾圧を受けてしまいます。そのような中、後鳥羽上皇の怒りを買ってしまう事件が起こり、法然上人と親鸞聖人を含む弟子7人は僧籍を剥奪され流罪となりました。法然聖人は四国(香川県)へ、親鸞聖人は越後(新潟県)へと離れ離れになり、1211年11月に4年あまり経ってようやく放免となりました。ここで京都に戻って再び法然上人の元へ行く予定でしたが、1212年1月に法然上人は京都にて往生。このまま京都に戻っても法然上人にお会いすることも叶わなくなったので1214年、信濃国(長野県)を経て常陸国(茨城県)へ向かいます。

常陸での20年

現在の茨城県下妻市小島〜笠間市稲田に草庵を結んだ聖人は、そこを拠点として20年にわたり布教活動を行いました。そこで門下に入った中でも特にその教えを正しく理解し伝えた24人の門弟は、のちに二十四輩(にじゅうよはい)と呼ばれ、彼らによって更に多くの門徒が育っていきました。その二十四輩の中には真像寺の元となった草庵を結んだ真壁の真佛上人がいます。

高田派のはじまり

親鸞聖人53歳の時、下野国(栃木県)の高田(真岡市高田)にて夢告を受けたことから、ここに一宇を建立します。そして信濃(長野県)の善光寺より一光三尊仏をお迎えして本尊とし、ここに専修念仏の根本道場が開かれました。これが現在の本寺専修寺で、聖人はここで8年に渡って布教され、多くの門徒が生まれました。これが「高田門徒」とよばれ、聖人御帰洛後、専修寺第二世となった真佛上人が率いる最大の教団となりました。これが高田派の始まりです。

真像寺のはじまり

上記のことからお分かりのように、真宗高田派は常陸国での布教活動の中、下野国高田という場所で始まった派であり、以後は門弟によって教えを受け継いでいった教団になります。専修寺第二世となった真佛上人は現在の桜川市真壁町椎尾地区の出身で、そこから栃木県真岡市にある専修寺に向かう旧街道の中間地点あたりに真佛上人によって結ばれた草庵が後の真像寺となります。残念ながら二十四輩寺院としては認定されておりませんが、当山は約800年、真佛上人の地元の門徒さん達に護られてきました。


真像寺のはじまりについては別ページにも説明してありますので、こちらもご参照ください。

真像寺について

 

真宗高田派の作法は?

特に焼香の回数が気になる方が多いみたいです。
作法については同じ真宗でも派によって異なるものもあります。また、地域の慣習として長い年月続けられている独自の作法もあります。決して高田派の作法通りにしないとバチが当たるなどとお考えにならず、仏様に感謝する気持ちを第一にしましょう。

焼香作法

こちらは高田本山発行の書籍からの引用になります

  1. 焼香台の前にてご本尊を仰ぎ見て一礼します。
  2. 右手指先でお香をつまみ、香炉の中の炭火または線香の火先より少し離れた箇所から横一文字に三回、急がずゆっくりと薫じます。
  3. 焼香が終われば念珠を両手にかけ、ご本尊を仰ぎ見て合掌し、お念仏を三回称えて頭を下げ、かたがた二回称えます。
  4. ご本尊を仰ぎ、一礼して退席します。

※留意点

  • お香をつまみ、頭のところにおしいただく必要はありません。
  • 縁の深い人から順次焼香するのが通例です。
  • 葬儀などにて、ご本尊と導師の間に進み出て焼香する場合は、その前後に導師に一礼または合掌してください。
  • 親族でも焼香の作法が同じになるとは限りません。それは各自が日頃いただく教え(宗派)の作法に従って焼香するからです。要は焼香によって広がる薫香を受けて、心身を清浄にして仏法にあわせていただくところに意義があるのです。

仏事のQ&A 高田のあれこれ P46〜48より

追記
葬儀場での焼香の場合、香炉には火の付いた香炭が置いてありますので、その上に三回、頭におしいただかずに焼香をします。ただ、葬儀場の方から「一回焼香」などの案内があった場合はそれに準じます。ご自宅の仏壇での焼香の際は火の付いた線香を寝かせ、その上に焼香します。火先はご本尊に向かって左にします。線香が長い場合は半分に折って下さい。真宗では焼香を日常的に使用しますので、線香と合わせてお買いお求めください。

念珠の作法

焼香作法と合わせて覚えておきたいのが念珠(ねんじゅ)の作法です。
真宗では「一心に憶念するときの珠(たま)」であり、「何回称えたのかその数を覚えておく珠」ではありませんので数珠(じゅず)とは言いません。
合掌する際は親玉を上にして総は左へ分けます。お念仏(南無阿弥陀仏)は声に出して称えます。「なんまんだぶつ」と三回称え、礼拝時に二回称えましょう。ちなみに真宗高田派では、南無阿弥陀仏を「あみだぶつ」と読みます。
注意点:念珠や経本は直に畳や床の上に置いたりせず、たとえ紙一枚でも下に敷いてその上に置いてください。

仏事のQ&A 高田のあれこれ P42〜44より

 

真宗高田派のご本尊

高田派のご本尊は阿弥陀如来(立像)になります。
お仏壇では掛け軸にした絵像が多く見られますが、木像や金属製のものもあります。最近では洋室に合わせやすい洋型タイプのお仏壇も増え、ご本尊も木枠やクリスタルのケースに収められているものもあります。

掛け軸のご本尊

ここでは一般的な掛け軸のご本尊を例として挙げますが、必ずしもこの通りでないとダメと言う事ではありません。仏壇は大切な教えをいただく場ですので、敬いの心でお参りください。

こちらの画像の掛け軸は真宗高田派の本山の進納所(しんのうしょ)で頒布しているもので、高田派の御法主の裏書きがあります。

真ん中のご本尊(御真向様)は阿弥陀如来(立像)ですが、絵像以外にも「南无阿弥陀仏」(なもあみだぶつ)の六字名号(ろくじみょうごう)の軸を掛けることもあります。

左側には2つの名号が書かれています(十字九字合幅)
・帰命盡十方无㝵光如来(きみょうじんじっぽうむげこうにょらい)
・南无不可思議光如来(なもふかしぎこうにょらい)
それぞれ十字名号(じゅうじみょうごう)、九字名号(くじみょうごう)と呼ばれるもので、「盡十方无㝵光如来」も「不可思議光如来」も阿弥陀仏のことを指します。上の二文字はサンスクリット語の【namas】の漢訳が「帰命」で、音写が「南无」で、意味は同じです。

右側は宗祖親鸞聖人像(御真影様)になります。
親鸞聖人像の代わりに十字名号の軸を掛ける場合は、左側に九字名号の軸を掛けます。

高田派のご本尊の特徴

掛け軸のご本尊の場合、真宗各派によって多少異なるところがあります。
本願寺派や高田派の特徴としては南無の【無】の文字が【无】の簡易体の方を使用しており、読み方も『む』ではなく『も』と読みます。元々はサンスクリット語の「namas」を音写したもので、「心から信じる」「心から従う」の意味を指します。つまり、南无阿弥陀仏とは「阿弥陀仏に心からお任せします」という意味になります。

注意点としては、本願寺派(西本願寺)では右側が【親鸞聖人】絵像の場合、左側の軸は【蓮如上人】絵像を掛けるのですが、蓮如上人は本願寺8世ですので高田派では掛けることはありません。

高田派のご本尊をお求めの場合

お仏壇は近くの仏具店にて選ばれると思いますが、高田派の仏具及びご本尊を在庫している仏具店は関東にはあまり有りません。
高田派の掛け軸のご本尊をお求めになる時はサイズを確認してから住職に依頼していただくか、下記リンクの本山のホームページよりお求めください。

仏具やご本尊は必ず高田派指定という事ではありません。ご自宅のお部屋や仏壇の様式に合わせて仏具やご本尊をお迎えください。尚、新しくお仏壇やご本尊をお求めになった際は住職に連絡し、ご自宅または本堂にて入仏法要をご依頼ください。